どんな状況の戦況だったのか・・・。
そこまでは、ビジョンとして見る事は出来なかった。
そして時は流れ、私の仕える王の勝利で戦は終わった。
そんな矢先、私は王に呼び出された。
私は王の目を見ずに膝まづき、勝利の挨拶をした。
そんな私に王は、
「戦に勝利はした。だが勝利するのにこれほど時間がかかるとは
思わなかったぞ!」
そう言って,怒りをぶつけて来た。
私としては、ぐうの音も出ない。。。
「申し訳ありません。」そう伝えるしかなかった。
しかしながら、王も多くの国を治めて来たお方。
そんな言い訳に、私の心の中を計っていた。
「これには、何かあるぞと?」と言わんばかりの眼光。
結局問い詰められ、ある者からの情報も伝わり
私の予言の失敗を追及される事となった。
その時私は、抵抗する気も言い訳する気もなかった。
「こうして、追求されるのも承知の事。国益より、
なによりも身内の身の安全を第1に考えてしまったのだから。」
王に仕える預言者としては、
情に流される事など、あってはならないからだ。
そしてその後私は、
王の鋭い追及に自分の予言の失敗を簡単に吐露していた。
過ちの予言をした自分を許せず、
それでいて、人と人との狭間に立って苦しむ自分に
疲れてしまっていた。
だがそれは、許されるはずもなく
その所業に怒った王は、
見せしめの為、私の公開処刑を執り行ったのだ。
それからすぐ私は、粗末な板に貼り付けにされ、
公衆の面前にさらされた。
沢山の野次と罵声を浴び、投げつけられる石。
顔面は腫れ上がり、血が流れ落ちる。
でも、誰も助けてはくれない。。。
その民衆の中に、一緒に生活していた夫の姿を見たが、
彼の目は、私をあかの他人を見るように冷たかった。
その時私は思った。
「どうして、予言など仕事にしたのだろう。
こんな思いをするならば、見えない方が幸せだった。
何の為に、何の為に・・・。」と、凄く後悔していた。
苦痛で朦朧とする意識。。。
やがて放たれた一発の矢が、私の喉元を突き刺した。
気管に溢れる血を感じながら、私はそこで生き絶えた。
この事を思い出していると、
喉元に痛みが走る。
少し辛くなってきたので、今日はこの辺まで。。。
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